伊豆海人すーぱーレスキュー講習

みなさん、伊豆海で、他の海で、ダイビングを楽しんでらっしゃると思いますが、
「自分てこれだけは苦手(怖い)だなあ」と思うことってありますか?
私(まきぞう。)にはありました。大きな問題が。
それは、
レギュを口から外すことが全く出来ない(≒怖い)ってことです。
Cカード講習を受けてからこのかた、レギュが口から外れるなんてことは、
一度もありませんでした。
逆に、2、30本に1回はレギュを食いちぎってしまい、すっかりレギュ口交換の
達人になってしまい…
本数(250本超、もうすぐ300本)だけはベテランと言われる状況になってきたのに、駄目だな自分…
そんな悩みを抱えていたある夏、泉さんに相談しました。
「泉さん、私、このまま悩みを抱えてダイビングを続けたくないの!
 正式なライセンスはいらないから、泉さん流に私を鍛えて!!」


その時
泉さんの瞳にボッと炎が上がるのが確かに見えました。

「よし!任せておけ!自分が伝えたいことを全部伝えるよ!!!」

そんなことで、9月11日(月)〜9月13日(水)、丸三日間に渡る、
地獄のスーパー伊豆海人レスキューダイバー講習(仮称)が催されたのです。
以下は、我々夫婦が体験したスーパー講習のご報告です。
本当に感動した、素晴らしい講習だったので、この場をお借りすることをお許しください。
(ご興味の無い方は以下はスルーしちゃってくださいね)

【9月11日】
微妙に波立つ灰色の海を前に、泉さんの熱(暑)すぎるブリーフィングが始まる。

「本当に、本当に、ダイバーみんなに伝えていくことができたらと、日頃からダイビング屋となった自分ができることって何だろうと、色々考えて、思っていること、やりたいことをすべてぶつけるつもりで、これからの講習を行うから!!」

「はいぃっ」(体育会系返事)
「いい返事だ。
じゃあ、今日は、終日素潜りです。
「えーーーーーーーーー!!!」
ダイビングの講習じゃなかったのか!?

すかさず泉さんから、熱い、暑すぎる言葉が飛ぶ。


「素潜りを侮ってはいけない!苦手意識を克服する為には順を追って、安心感を一つ一つ増やしてゆくことで、10mぐらいの素潜りは出来るようになる!さあ!ねーさんまぐろちゃん!がんばろう!」

泉さんの目の奥に熱い…暑すぎる炎が燃えた。
もう、こうなった泉さんには逆らえない…


「はいぃっ」
…盛り上がってきたぞ…(泉さんが…)



すごすごと、夫婦二人はエントリー口へ向った…。


さて、これまで自分はせいぜい2、3メートルを鋭角に潜る(潜ってすぐ苦しくなって
すぐ上がる)ことしかできなかった。
そんな自分が上達するなんて、できるのか?

そんな疑問と共に長い水面移動。やばい。…もう既に疲れてきた。
こんなんで自分、最後までもつんだろうか…そしてその時鬼教官は…
そんな感じで始まった素潜り練習。

そして…。
泉さんから、素潜りの手ほどきを受けて約2時間。
なんと、
川奈の鳥居にタッチできるほどに上達したのでした!
ダーリンまぐはもっと上達し、12、3メートルも余裕でこなせるように!
(ステキよ、あなたーっ♪)

普通の経験の蓄積だけでは、絶対こんな成長は無かった!と確かに思える。
だって半強制的な場面でなければ、素潜りの練習なんて自発的にやりませんから!!
自分がこんなに素潜りが出来るようになるなんて…
人間て意外とこの年になっても成長できるんだな、と、静かな喜びが…。
(この喜びって、きっとある年齢以上になると、すごく分かるんじゃないかな)
素潜りなんて絶対ムリ!と決めつけていた、少し前の自分じゃない。
私、変わったんだ…
そんな深い実感を胸に、初日の講習は無事終了!
明日からはいよいよダイビングの講習だ!
何だか、今までとは違うダイビングになりそうなよ・か・ん★
しかしその後、泉さんから手渡された講習内容の紙を見てのけぞった。
…私の命日は明日か…
その晩は天童で、素潜りの興奮覚めやらぬ中、泉さんに絡みに絡んで撃沈。
泉さん、師匠相手に、大変失礼いたしました…(深く反省しています、ホントに)

【9月12日】
いよいよ本日からスキューバ器材を付けての講習が始まる。
昨日の素潜りが、今日からのダイビングにどんな影響があるのか、

これは私という人間を使った壮大な実験なのだ!!!


と、やけに大上段に構えているのは、緊張を隠すためである(^ ^;

海は荒れ模様。
灰色の波しぶきを前に、いざ、出陣じゃ!

…と、ダーリンまぐが、日頃は使わないスノーケルの取り付けについて、エントリー口でちょっともたつく。

そこに鬼教官泉の教育的指導が。

「ダイビングは段取り八分、波打ち際で慌てないようにセッティング時点でそれを想定して全ての準備を終えておくように!!」



・・・ハイ、スイマセン




今日は、私の最も苦手とするレギュ関係の項目が山盛りだ。
とはいえ、緊張と共に、私には何故だか、確信に満ちた自信もあった。
あれだけの(自分の中ではね)素潜りがスキューバ器財無しでできるんだから、
怖がりすぎる必要は無い。

今まで自分は、何にも知らなかったから、知らないことに対する恐怖にとらわれていた。
ちょっとのトラブル(自分にとって)が、本当に本当に怖かった。
でも、今日は何か違う気がする。
もちろん自然に人は勝てないし、自然を軽視するという意味ではなくて、自分のできる範囲内でトラブル(私の場合はレギュが外れること)に対処することはできるんじゃないかと…。

変わる自分を実感したくて、ドキドキしながらエントリー。
さっきの教育的指導もあってか、夫婦二人とも器財のセッティング・準備ともにばっちり。
見よ!この優等生ダイバーぶりを!!!
と、通りすがりのダイバーさん達全員に拡声器で叫びたい気分。
※なので、この場で強調してみました(^ ^;

いや、
真面目なダイバーさんから見たら、当たり前のことなんすけどね。

海は昨日よりちょい荒れ気味。
水面での作業が多い講習にとっては、ちょっとしんどい海況だ。
でも、今日はいつもみたいに文句をたれたりしない。
だって、だって、我々は、スーパーレスキューダイバーになるのだから!!!
がお〜〜〜〜〜!!!
…そんな気合いが天に通じたのか、もっと手こずると思っていた項目が、さくさくと進んでいく。
…いいぞいいぞ、このまま、このまま…!

その時、ダーリンまぐが、脇腹痛を訴える。
それは前日ダーリンまぐがこうちゃんと遊んだ時、無理な体勢で落ちたものをひろった時「ぎっくり脇」してしまった脇だ! 
←ちょっと無理しちゃって・・・情けない(: :)

ぼちぼち前半終了か?という時、水中の泉さんに私だけ手招きされる。
そこでいよいよ、私の最大の関門、
レギュ外しの刑…じゃなかった、講習が行われた。



昨日の成果を思い出せ自分…と唱える間もなく、すっぽりとレギュが外せた。
…あれ?




今まであれほど恐れ、焦り、鬼門となっていたレギュが、いともあっさりと…。

余裕を持ってレギュクリアをし、改めてレギュをはめる。
あまりにあっけない終わり…。

まるで愛が醒めた時のように、すべてが終わってしまえば、恐れていたことって、意外とどうってことないのね…そんな安堵と切なさの中、前半終了〜〜〜!!


終わっていない愛のダーリンの脇腹は多少気になるが、とりあえず、自分の最大の目標を達成したことにご満悦♪

後半も頑張るぞ(気合っ)!!!!!
さぁさぁ、そんなわけで始まりました、
「伊豆海人(いずみんちゅ)すーぱーレスキュー講習」!!!
今後、まぐまきはどんな困難にあい、そして、それをいかに克服したのか!?
愛と涙の物語が今、はじまる・・・


・・・っていうのは、大げさなんですけど(^ ^; ヒマなら続きも見てくださいな♪

                               執筆者:基本的にまきぞう。ねーさん